脱炭素社会実現に向けたリスクベースの安全管理
2024 年5 月に、国会で「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用 の促進に関する法律」(以下「水素社会推進法」)および「二酸化炭素の貯留事業に関する法律」(以下 「CCS 事業法」)が成立し、公布されました。これらの法律は、日本が脱炭素社会を目指すための重要な一 歩となります。水素社会推進法では、事業者は、安全を確保しつつ、低炭素水素等の供給又は利用の促進に 資する投資等の事業活動を積極的に行うよう努める、とされ1、すでに、2024 年度予算で、水素供給基盤構 築の実現可能性調査(FS)への支援事業が実施されています。また、CCS 事業法に関しては、貯留事業等 の許可制度等が整備され、CCS 長期ロードマップ検討会で目標設定された2030 年の事業開始2に向け、民 間事業者による事業化のための環境が進み始めたといえます。今後、水素・アンモニア等の製造、受入、貯 蔵、輸送、およびCCS に関するプロジェクトがさらに増加することが期待されます。